2006年03月21日
食べ物でも、着るものでも。 それは、もちろん、たたみも同じです。 ただ、「自然のもの」だと、信じていたものが、農薬まみれだとしたら・・・。
「稲藁(いなわら)で作った畳床は、本当に化学床より、体に良いのでしょうか?」 本題に入る前に、畳床の現物を、見ていただきましょう。 上が、ワラでできた、畳床です。 (タタミの断面の写真になります。) 一時期は、スタイロ畳と呼ばれていた、タイプです。 クッション材入り(*1)は、こんな感じです。 こちらが、化学床(*2)です。 茶色のボードを、数枚重ねてあります。 これにも、写真のように、クッション材入りがあります。 この写真をご覧になった、たいていの人の印象としては 「ワラ床は、自然の材料で出来てるって感じで、体によさそう。」 「化学床って名前からして、体に悪そう。」 といったイメージを、お持ちではないでしょうか? そうなんです。 名前のイメージというのは、とても重要で、 誰が聞いたって、「化学」より「ワラ」の方が、自然に優しい印象を受けるものです。 イメージ悪い「化学」の裏側 でも、化学床に使われてるボードって、何で出来てるか、ご存知ですか? 実はね、木なんです。 これは、天井材なんかにも、使われているのですが、 材木を切り出した木の端くれを、細切れにし、熱で固めると、ワラの素材と、良く似た硬さになります。 それを、ボードとして使っているのです。 (要するに、捨てる材料を、有効に使っているんですね。) そして、熱で固めているので、今話題の、体に悪い接着剤なんかは、使われてないのです。 じゃあ、化学もワラも、どっちも、体に優しいの? 健康住宅を造ってる人には、ワラの畳床が、大人気です。 「自然素材」という言葉には、環境や、健康への配慮を、連想させる力があるようです。 ところで、そのワラには、本当に害が無いのでしょうか? 実は、畳床を作っている、福岡屋さんによると、畳床に使われてるワラって、大量の農薬が使われてるそうです。 正直なところ、それを、洗いもしないで、畳床に編んでしまって良いのか?という疑問は、あります。 そして、夏場になると良く分かるのですが、新しいワラの畳床って、ハエが群がります。 それも、10匹や20匹ではないです。 一体どこからそんなに集まったんだ、と、いうくらい、ハエが群がります。 まさに、黒い煙幕のようです。 そんなに、ハエが群がる畳って、ホントに清潔なのか?と、思うと、ちょっと疑問が残ります。 ちなみに、今から30年ぐらい前までは、日本では、畳といえば、ワラ床でした。 そのときたたみ屋さんは、何に頭を悩ませていたのか。 ワラ床から発生する、大量の害虫でした。 時代というのは、恐ろしいもので、今は、そのころの苦悩を知る職人さんは、随分少なくなりました。 そして、現在。 健康ブーム、無農薬ブームということで、「虫に弱い」ワラ畳床が、少しずつ世に出回りだしています。 これから、どうなることやら・・・・ ちなみに、ウチは、「化学床」と、嫌われようとも、木で出来たボード床を、使っていこうと思ってます。 *1これは、正しい呼び方ではありませんが。ただ、初めてお読みになる方には、分かりやすいと思い、文中では、便宜上クッション材入りと、呼ぶことにします。 *2今どきこんな呼び方する人はいませんが、こちらも、分かりやすさのために、便宜上こう呼ぶことにします。 畳Home -> 知ってください、畳のこと -> 「ワラでできた畳床は、化学床より、体に良いの?」 << 値段表を見る前に | 知ってください、畳のこと | 私が一番答えにくい質問とは? >> |